海外メディアの報道によると、米国鉄鋼メーカーのニューコア、クリーブランド・クリフス、ブルースコープ・スチール・グループの米国ノーススター製鉄工場は、米国国内市場の需要拡大に対応するため、2021年にスクラップ処理に10億ドル以上を投資する予定。
2021年の米国の鉄鋼生産量は20％近く増加すると報じられており、米国の鉄鋼メーカーは廃車や使用済み石油パイプ、製造廃棄物などからの原料の安定供給に積極的に取り組んでいる。米国の鉄鋼業界は、2020年から2021年までの累積800万トンの生産能力拡大に基づき、2024年までに同国の年間平鋼生産能力を約1000万トン拡大すると予想されている。
現在、電気炉によるスクラップ製鋼プロセスで生産される鋼材は、米国の全鉄鋼生産量の約70％を占めているといわれています。この製造プロセスは、石炭で加熱された高炉で鉄鉱石を製錬するよりも二酸化炭素排出量が少ないですが、米国のスクラップ市場にも圧力をかけています。ペンシルベニア州に本拠を置くコンサルティング会社メタル・ストラテジーズの統計によると、米国の鉄鋼メーカーによる2021年10月のスクラップ購入額は前年比17％増加した。
ワールド・スチール・ダイナミクス（WSD）の統計によると、2021年末までに米国のスクラップ鋼価格は2020年の同時期と比較してトン当たり平均26％上昇した。
ワールド・スチール・ダイナミクスのフィリップ・アングリン最高経営責任者（CEO）は、「製鉄所が電炉の生産能力を拡大し続けるにつれ、高品質のスクラップ資源はますます不足するだろう」と述べた。